「プレミアノリタケ」について
こんばんは、店長です。
3月も残すところ、後2時間ばかりになりました。
冷たい雨と、温かい風の季節ですね。子供の頃は、そんなもんだと思っていました。(今でもそう思っていますが)
さて本日は、「プレミアノリタケ」について少し補足をさせて頂きたいと思っております。
当店では、赤いインクで「N」印および「NIPPON TOKI KAISYA」と描かれた裏印(バックスタンプ)のものを、「プレミアノリタケ」と表記しております。
単純に裏印で区別しております。
こちらの裏印が使用されたのは、1954年(昭和29年)~1966年(昭和41年)の間になります。
「プレミアノリタケ」という言葉は、「オールドノリタケ」に比べると、あまり一般的ではないようです。それでも一般的には「プレミアノリタケ」というと、「戦後1945年(昭和20年)から1954年(昭和29年)までの製造品で、レトロモダンな模様のもの」を指して使われることが多いようです。
ただしこちらも「オールドノリタケ」同様、コレクターズアイテムとしての愛称のようなものになりますので、また別の定義をしている本なども見かけます。定義というより、呼びかけというような感じです。
(※あくまでコレクション上の呼び名なので、メーカーさんは一切関知されません。)
さて、当店は単なる食器屋で、特にコレクションショップではないのですが、このふわふわしている「プレミアノリタケ」という言葉をお借りすることにしました。
素敵なシリーズをご紹介したいと思ったからです。
先述の、赤字N印(便宜上そう呼びます)の中には、1958年(昭和33年)より始まった、「ノリタケホームセット頒布会」のお品が含まれています。というより、ほぼそのお品になります。(全部ではないです。)
「ホームセット頒布会」とは、国内向けに作られたディナーセットを、月に1回ずつ、少しずつに分けて販売する形式です。
この形式はとても好評で、ノリタケ以外にも多くの会社が行っていたそうです。今も様々に「〇回シリーズ」みたいなものはありますね。
戦後の混乱期を越え、日本社会が高度成長期に差し掛かった頃、日本人の生活は大きく変化しようとしていました。
制度が変わり、町が変わり、住居も、生活様式も変わりつつありました。そんな頃に販売された、一般家庭向けのディナーセットでした。
食器のディナーセットというのは、お皿やカップ&ソーサーなど、何が何点、何が何点、と種類や数が大抵決まっていたそうです。ただこのディナーセットは、違いました。
雑誌『暮らしの手帖』の調査などにより、「これは不要」「これが必要」と、当時の日本の一般家庭の状況に合わせ、内容が変わっていったそうです。その結果、カップ&ソーサーがなくなったり、丼が追加されたりしたそうです。
新しい住居、モダンな公団団地で和洋折衷の暮らしを始めたような、新しい世代の使い勝手に合わせて、自由にセットも進化しました。
当時メーカーさんは、苦労されたんではないかと、想像します。セットの内容しかり、デザインも、相当考えられたんじゃないかと思います。
アメリカやイギリスを始めとした、海外向けのデザインをそのまま使っても、日本人の感覚と環境にすんなり馴染むようには思われない。洋式の食器が、日本人の生活に無理なく溶け込み、自然に使ってもらうには、どのようなデザインが向くのだろうか。馴染んだ和食器ともまた別のもの。
人気のあった柄も、そうでもなかった柄もあったと思います。ただ、この国内向けに初めて製造されたディナーセットは、何か外の景色が似合うような感じがするんですね。(あくまで当店の主観です。)日本の空や木や、水や土や雲に、似合うような気がするのです。
空を見上げて、雲を数えて、職人さんがデザインを練ったのではないかと、勝手に思っております。
当店が、赤字N印のお品を「プレミアノリタケ」とする訳は、以上になります。
まあ、そんなにちゃんとした理由がある訳でもなかったですね。。(申し訳ございません)
というわけで、当店独自の設定にはなりますが、しばらくの間、おつき合い頂けましたら幸いです。
3月も残すところ、後2時間ばかりになりました。
冷たい雨と、温かい風の季節ですね。子供の頃は、そんなもんだと思っていました。(今でもそう思っていますが)
さて本日は、「プレミアノリタケ」について少し補足をさせて頂きたいと思っております。
当店では、赤いインクで「N」印および「NIPPON TOKI KAISYA」と描かれた裏印(バックスタンプ)のものを、「プレミアノリタケ」と表記しております。
単純に裏印で区別しております。
こちらの裏印が使用されたのは、1954年(昭和29年)~1966年(昭和41年)の間になります。
「プレミアノリタケ」という言葉は、「オールドノリタケ」に比べると、あまり一般的ではないようです。それでも一般的には「プレミアノリタケ」というと、「戦後1945年(昭和20年)から1954年(昭和29年)までの製造品で、レトロモダンな模様のもの」を指して使われることが多いようです。
ただしこちらも「オールドノリタケ」同様、コレクターズアイテムとしての愛称のようなものになりますので、また別の定義をしている本なども見かけます。定義というより、呼びかけというような感じです。
(※あくまでコレクション上の呼び名なので、メーカーさんは一切関知されません。)
さて、当店は単なる食器屋で、特にコレクションショップではないのですが、このふわふわしている「プレミアノリタケ」という言葉をお借りすることにしました。
素敵なシリーズをご紹介したいと思ったからです。
先述の、赤字N印(便宜上そう呼びます)の中には、1958年(昭和33年)より始まった、「ノリタケホームセット頒布会」のお品が含まれています。というより、ほぼそのお品になります。(全部ではないです。)
「ホームセット頒布会」とは、国内向けに作られたディナーセットを、月に1回ずつ、少しずつに分けて販売する形式です。
この形式はとても好評で、ノリタケ以外にも多くの会社が行っていたそうです。今も様々に「〇回シリーズ」みたいなものはありますね。
戦後の混乱期を越え、日本社会が高度成長期に差し掛かった頃、日本人の生活は大きく変化しようとしていました。
制度が変わり、町が変わり、住居も、生活様式も変わりつつありました。そんな頃に販売された、一般家庭向けのディナーセットでした。
食器のディナーセットというのは、お皿やカップ&ソーサーなど、何が何点、何が何点、と種類や数が大抵決まっていたそうです。ただこのディナーセットは、違いました。
雑誌『暮らしの手帖』の調査などにより、「これは不要」「これが必要」と、当時の日本の一般家庭の状況に合わせ、内容が変わっていったそうです。その結果、カップ&ソーサーがなくなったり、丼が追加されたりしたそうです。
新しい住居、モダンな公団団地で和洋折衷の暮らしを始めたような、新しい世代の使い勝手に合わせて、自由にセットも進化しました。
当時メーカーさんは、苦労されたんではないかと、想像します。セットの内容しかり、デザインも、相当考えられたんじゃないかと思います。
アメリカやイギリスを始めとした、海外向けのデザインをそのまま使っても、日本人の感覚と環境にすんなり馴染むようには思われない。洋式の食器が、日本人の生活に無理なく溶け込み、自然に使ってもらうには、どのようなデザインが向くのだろうか。馴染んだ和食器ともまた別のもの。
人気のあった柄も、そうでもなかった柄もあったと思います。ただ、この国内向けに初めて製造されたディナーセットは、何か外の景色が似合うような感じがするんですね。(あくまで当店の主観です。)日本の空や木や、水や土や雲に、似合うような気がするのです。
空を見上げて、雲を数えて、職人さんがデザインを練ったのではないかと、勝手に思っております。
当店が、赤字N印のお品を「プレミアノリタケ」とする訳は、以上になります。
まあ、そんなにちゃんとした理由がある訳でもなかったですね。。(申し訳ございません)
というわけで、当店独自の設定にはなりますが、しばらくの間、おつき合い頂けましたら幸いです。